参加リポート/現場から

ここで私が譲ってしまっては彼らのためにならない

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栗栖 司  マツダE&T PT設計部 主幹  〔第492回/2016年1月会期参加〕  NO.1073

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  自動車の設計開発に携わってきた私は、部下が増えてくるにつれて仕事が回らなくなりました。 もしかしたら彼らに指示してきたのは間違っていたかもしれない、そのとき初めて疑問を持ちました。 それでも教えたほうが早いという思いは消えません。その頃、組革研に参加しました。
  組革研で 「対象がどうなっているか」に取り組む途中、職場の業務も全く同じだと気づきました。 エンジンがどのように動くか、その中で部品やシステムがどうあるべきかを明らかにしないと、より良い設計図面は描けないからです。しかも組革研では、個でその課題に向かっていきました。
  職場に戻ってから、車の仕組みを明らかにし、自分で考えて図面を描くことをくり返しメンバーに求めてきました。 検討が不十分だと思える図面はメンバーに突き返したこともありました。 彼らは悔しいようながっかりしたような何とも言えない表情を浮かべます。 いくつもの設計課題を抱えている彼らが、早く仕上げて次にすすみたいという気持ちもよくわかりますが、ここで私が譲ってしまっては彼らのためにならないと、彼らのほうに寄っていきそうになる自分を押し止めています。
  最近、彼らの工夫を重ねたと思える設計が少しずつ増えてきました。 それに伴い、その過程に込めた思いを強く主張するメンバーも現れてきました。 時には思いが強くなりすぎてぶつかり合ってしまう場面もあります。 私にとってはうれしい変化です。
  今では、手掛けた設計のふり返りや手戻りが生じた時の分析もメンバーに担当させています。 自分が設計するものに対する思いがこれまで以上に向上し、いつか走っている車を指さしながら、胸を張って 「あの車は俺たちが作ったんだ」と自慢げに言える職場を目指していきたいと思っています。

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