起こったことだけを攻めつづけろ

「いいな」と思われたら押してください。

　あってはならない着荷不良。その根絶の道が見えてきました。１１年度比３割減を達成し、今年は半減に挑戦しています。
　ある日、製品の着荷不良が発生しました。原因追求のため、現場でどのように作業が行われていたかをヒアリングしながら、ラインでの状況再現を試みました。
　しかし突っ込んで話を聞くと、担当者への責任追及と感じたのか、「単なるポカミスだよ」「マニュアルがわかりにくいんだよ」と、むしろかばい合ってしまいました。これでいつも事実から遠ざかる。何となく人の問題にしたまま、うやむやで終わってしまうのです。
　不良削減を目標に掲げていても成果が出ないのは、こうした雰囲気に流され、中途半端に処理していた私自身にあると思いました。そして同じ問題が発生する。今回もまさに再発でした。何としても状況を再現しこれを変えないと、と決意を固めました。
　それでも彼らには、問題の蒸し返し、責任追及と受け取られます。「そうじゃない、起こった事実を調べたいんだ。みんなに二度とこんな思いをさせたくないんだ」。最後までやりぬこうと呼びかけました。
　現場の重い雰囲気は変わりませんが、やりぬかなければとヒアリングをすすめながら、再現を行いました。当時の状況を懸命に思い出して、当事者が泣き出してしまう場面もありました。そして、不良が発生した状況が少しずつ明らかになってきました。私には、その事実の一つひとつが宝物のように思えました。
　一週間ほどで再発防止への対策へとつなげることができました。これを機に不良削減に全員で進み出したのです。