「現場」に近づけた

「いいな」と思われたら押してください。

　１年前から、従来の生産技術課の業務の他にある工場のスタッフ業務も兼務することになりました。製造工程表の作成など未経験でしたが、作業者との関係も築き、自分なりに業務をこなせるようになったと感触をつかんでいました。
　ところが、その矢先に工場のリーダーから「現場のことを見ていない」と指摘されてしまったのです。その言葉が頭から離れませんでした。
　組革研に参加したのはその翌週のことでした。キャンパスリーダーに工場で指摘されたことを質問すると、「発想の原点は全て工場にある。それは生産技術であっても同様」とのアドバイスにハッとしました。私は生産技術のアイディアは現場から一歩離れて見ることで出てくると思い込み、スタッフ業務はなるべく手を掛けずに済ませようとしていました。その結果が工場リーダーの指摘だったと気づいたのです。
　職場に戻ると、少しでも現場に近づかなければと思い、スタッフで行う生産計画会議のかかわりかたを変えました。これまでは自分の疑問に思ったことだけを確認していましたが、事前に作業者全員から工程表のわからないことを出してもらうようにしました。それについて私が会議の場で回答を得て、彼らに報告するようにしました。それでもまだ彼らの質問の意図がわからないことがあります。私が装置の配置を考えるときに、装置の寸法と工場のスペースしか見ていないのに、彼らは設備や配管との取り合いなど、現場のことから物ごとを考えるからでした。
　先日、作業者に呼ばれました。彼らが新たに考えた製造方法を試すので私に見に来てほしいというのです。初めて声をかけられました。　　
　このとき、少し現場に近づけたかなと感じました。