リーダーの思いが伝わった瞬間

「いいな」と思われたら押してください。

　組革研にリーダー参加をした初日、「Ｓ－２０についてわからないこと」をできるだけ多く書き出すときのこと。１人３００件という目標をチームで立てましたが、その数は納期の時間になっても半分にすら届きません。１時間の残業で達成しようとメンバーに言いましたが、「１時間では無理」「そもそもこんなに書くことに何の意味があるのか？」と強く反発されました。
　人と衝突して関係が壊れることを極端に恐れる私は、メンバーに取り囲まれてたじたじになり、言葉を詰まらせてしまいました。
　翌日の現地調査。「一人で」がキャンパス全体の方針でしたが、自チームのメンバーどうしが相談をしていたことがわかりました。メンバーを集めて話を聞くと「ひとりごとを言っただけ」「なぜ信じてくれないんだ」と食い下がります。
　私は、「疑われたのは本気になっていなかったからではないか」と、ありったけの勇気を振り絞ってメンバーに言い返し、初めて真正面からメンバーにぶつかることができました。「明日からだれも自分を相手にしなくなったら」と不安に感じながらも、腹は据わりました。
　やがてメンバーどうしの話し合いが始まり、チーム全員が出した結論は「本気でやる」でした。
　驚いたことに、翌日になるとチームの雰囲気はがらりと変わり、みんなの目が真剣そのものになっていました。現地調査終了の３０分前にもかかわらず、大雨の中を再び走って出て行く姿を見たときは涙が出そうになりました。
　その後の「Ｓ－２０」で次々とゴールするメンバーを迎えたとき、「メンバーと仲間になれた」と素直に思いました。メンバーに本気でぶつかることが何より大事なのだとつくづく思った瞬間でした。