「部下が変わろうとしない」と不満に思っていた

「いいな」と思われたら押してください。

　現在の部署に異動して以来、業績改善のために試行錯誤してきました。部下たちは１０年以上前のやりかたを見直しもせずに続けており、より効率的なすすめかたを覚えてもらおうと月例会で説明し、書類の作成などでも事前にヒントを教え見本を示すようにしました。しかし、部下が出してくるのは見本の焼き直しばかりで、私はどうしたものかと困っていました。
　組革研でキャンパスリーダーに「変わろうとしない部下にどう向き合えばいいか？」と質問すると、「自分が変わらずに部下に変われとは何ごとか」と指摘され、振り返ってみると、部下が仕事を自分事にできずにいたのは私の世話焼きのせいだったのだと気づかされました。
　職場に戻ると、朝会を毎日実施し、前日の実績と当日の予定を全員が報告するようにしました。司会も持ち回りにし、部下たちが行うようにしました。
　最初は「集まる時間がもったいない」、「人の状況を聞くより作業をすすめたい」などと反発されました。しかし、各自が実際に課題を貼り出し実績や進捗を書き込むと、他のメンバーの状況がわかって応援の要請もしやすくなるためか、次第に競って詳細な報告を行うようになってきたのです。
　これまでは私が行っていた会議の招集や進行も部下に任せるようにすると、朝会だけではやりきれないスケジュール調整などについて自主的に会議を開くようにもなりました。
　また、計画書や仕様書などについて私が見本を示すのを止めると、まだ過去の見本を使いながらも、「見本のここをこう変えたほうがアピールできる」「こういうことは書き加えておきたい」などと、彼らなりの思いが感じられるものを出してくるようになり、これまで私が彼らの邪魔をしていたことを改めて思い知らされています。