海外工場で品質への意識を継続させる

「いいな」と思われたら押してください。

　海外の子会社で作られたタイヤの金型に不具合が頻発していました。現地からは「作業指示書の手順を守らなかった」と言ってきますが、その理由は何度聞いてもわかりません。しかたなく指示書の手順を改めて現場に確認させるよう指示しましたが、不具合はその後も続きました。
　組革研体験後、とにかく現場を見ようと現地工場を訪ねると、そこでは新任のマネージャーがすでに工場改革に着手していました。彼によると、生産スピードを優先するあまり、現場で指示書を順守する意識が薄くなっていたということでした。
　また、現場の技能員にヒアリングしてみると、作業手順を守る必要性をあまり理解していないことに驚かされ、その後は技能資格更新時の審査など、品質への意識が継続されるしくみづくりをすすめています。
　しかし帰国後も不具合はなかなか減りません。現地の品質担当にあれこれと対策を指示しようと考えましたが思いとどまり、対策は現地に考えさせ、私は「それで本当に大丈夫か？」と問い続けることにしました。
　すると、これまでは現場に伝えられていなかった日本からの不具合情報を誰もが見えるところに貼り出すなどして、作業手順を守る必要性を現場に理解させる努力を始めたのです。
　また、不具合が起きるたびに製造過程の問題を調べて作業指示書の改訂もすすめるようになりました。
　その結果、少しずつですが海外工場の不具合は減ってきています。
　私も現地の作業指示書に漏れがないか改めて見直していますが、品質担当が改訂した部分に良い内容が見受けられ、日本の金型工場でも生かせるのではないかと検討しているところです。