部下が「どうしましょうか？」から脱却した

「いいな」と思われたら押してください。

　「リーダーとして自分ができているようにあなたは言うが、そんな風には見えない」。組革研最初のリーダーミーティングでキャンパスリーダーから言われ、その意味がわからないままリーダー参加が始まりました。
　新入社員チームを担当すると、あるメンバーが現場調査を早めに切り上げて喫煙所で３０分休んでいたことでブロックリーダーに仕事から外されてしまいました。私はショックでした。
　上期「Ｓ－２０」で業績が良かったため、若いメンバーたちにすすめかたをわかりやすく説明して一緒にやっていけば下期もうまくいくだろうと安心していました。本来ならば仕組みの発見のために全力投球させなければいけないのに、私は彼らと真正面から向き合っていなかったのです。
　職場ではこの春からグループ長となり、リーダーシップに関する本をいくつも読みました。部下の相談には笑顔で応え、答を教え、問題には率先垂範で動いていましたが、組革研の体験ですべて真逆だったと気づきました。
　職場に戻ってからはとにかく部下と正面から向き合おうと決心しました。
　ある工事を途中から引き継いだ部下が、「この予定では部品業者からの納入も工事業者の工期も、顧客が求める納期に間に合わないことになっています。どうしましょうか？」とやってきました。「どうしたらいいと思う？」と聞き返すと、「わからないから聞いているのです。梶原さんは知っているのでしょう」と食い下がります。私は、自分でもわからないことを正直に伝え、「考えてくれ」とだけ言いました。
　その後、「すすめるのは自分しかいない」と考えたのか、彼は出張先からも粘り強く業者との交渉にあたり、部品の納期短縮や工事業者の入替で工程確保に目処をつけました。もう「どうしましょうか？」とは言ってきません。