一人ひとりが考える職場に

「いいな」と思われたら押してください。

　私どもは健康診断と健康増進事業を行っています。
　利用者から要望や質問を日々いただきますが、回答や対処方法はすべて上席者が考えるという慣例が職場に定着しており、私もそれがあたり前だと考えてきました。「館内が暑い」という利用者の声があれば、現場で対応した者が迅速かつ正確に私に報告し、私は「よしわかった」と空調機の使用ルールを定め、春秋ならば換気扇や窓の開閉で対応するといったマニュアルを作成し、周知徹底させるのです。
　組革研に参加すると、そのような状態が現場の人たちから考え成長する機会を奪っていることに気づかされ愕然としました。
　職場に戻ると、利用者に配布する説明書を関係者全員で見直すことにしました。この説明書は健康診断や健康増進プログラムの利用に際して事前に読んでいただくものですが、わかりにくかったり表現が不十分であるのか誤解を招くことが少なからずあったのです。
　部署の全員を集め、各自で考えて自分なりにベストだと思える説明書に作り直すよう伝えました。自分以外に考える者がいないという前提ですすめさせ、全員で書き出したものを貼り出して、一言一句にこだわってそれぞれのいいところ、悪いところを討議しました。その際、私はあえて異論をぶつけてみましたが、それに答える部下の眼差しはかつてないほど真剣で、私は何か未来が開けたように感じてとても嬉しくなりました。
　そして、説明書は皆が納得する形のものに仕上がったのです。
　その後、利用者の要望などを私に報告する際には自分なりの対策を考えて来ることにしました。すぐ案が出ない場合は、部署の全員が個々に案を考えるようにして、当事者意識が根付くよう努力を続けています。