１０年先の結果に自信を持ちたい

「いいな」と思われたら押してください。

　原油タンカーのタンクに溜まる沈殿物を減らすというプロジェクトに取り組んでいます。この沈殿物を取り除くのにお客様が要する経費を軽減することが目的です。
　しかし、タンカーをお客様にお渡しした後のタンク内の変化について詳細なデータはありません。過去の設計データやプロジェクトメンバーの経験から、タンク内の突起物を減らすといった一般的な対策しか挙げることができず、それが本当に有効なのか自信を持てずにいました。
　そんなときに組革研で、手抜きをせずに「対象」を明らかにしなければ良い結果など得られないということを体験し、プロジェクトを情報収集からやり直そうと決めました。
　関係するメーカーやアフターサービス部門に情報を求めましたがまだ足りません。さらに範囲を広げてお客様にもヒアリングをして、何とか集めたデータをもとに定期的に打ち合わせを行うようにしました。
　部署を横断してのプロジェクトで、これまで他部署への遠慮から打ち合わせもあまりしていませんでした。しかし顔を合わせてデータを共有しどこに不具合が集中するのかといったことを検証していくうちに、メンバーも積極的になってきて、これまでになかった案が出てきたのです。
　私には思いつかない他部署ならではの発想でした。通常は塗装しないタンク内面は摩擦が大きく沈殿物が溜まりやすくなっている可能性が高い。ならば塗装すればいいのではないかという案でした。
　メンバーからは他にも様々な案が挙げられるようになってきています。実際に成果を確認できるのは１０年以上先ですが、いま自信を持ってお客様にお渡しできる船にしなければいけないと必死に取り組んでいます。