彼らはやりきってしまった

「いいな」と思われたら押してください。

　取手工場は全国９工場の中で製造量は最大、ビール類だけでなくチューハイも製造するなど品種も多く、製品倉庫は常に余裕がありません。最盛期には工場外の営業倉庫を借りなければならず、ここ数年、その経費は１億円を超え、課題となってはいたものの解決は無理とまで言われていました。
　この問題に対し工場内プロジェクトを立ち上げましたが、プロジェクトメンバーたちはどこから手を付けたらよいのかわからないような状況でした。 そこで、このプロジェクトリーダーをはじめ、 部門の責任者たちを組革研に「メンバー参加」させ、またすぐに「リーダー参加」と、次々に派遣をすすめました。
　プロジェクトリーダーは組革研から戻るとすぐに、「場外倉庫を減らすために何をすべきか」をメンバーに５０件以上書かせ、改めて取り組みをスタートさせました。入出庫計画、製造計画、品質検査、全てをこれまでとは全く違う発想ですすめることになり、部門間のきめ細かい調整も必要になります。私も「ある程度は場外倉庫も使わざるを得ないだろう」と考えていました。
　ところが、最盛期に入っても場外倉庫を使う様子がありません。プロジェクトリーダーに聞くと「使わずに済みそうです」と言い切り、さらに現場ではプロジェクトメンバー以外の人たちまでもが自らアイデアを出し合い、工場全体が目標達成のために動き始めていました。
　当初の目標は、「場外倉庫費用の削減」だったのが、いつの間にか「１缶たりとも場外には出さない」が合言葉となり、誰もが「絶対やり切る」と強い思いで、半年でやり遂げてしまったのです。
　予想もしない大きな成果をあげてしまったメンバーたちの力に、ただただ驚くばかりです。