15年前、米国モトローラと東芝の半導体製造合弁会社である東北セミコンダクタで総務部長をしておりました。組革研に「メンバー参加」と「リーダー参加」を重ねたのはその頃で、約1,500人の社員のうち150余名は組革研に参加をしました。参加後の様子は、3分の1は「非常に衝撃を受けた」、「たいした衝撃ではなかった」が3分の1、残りは「効果がなかった」というのが私の印象でした。
とはいえ、彼らの多くは各部署でリーダーとなり、組革研で体験したやりかたで業務改善をすすめ、現場はもぞう紙でいっぱいになっておりました。
2000年に米国モトローラ100%子会社になりましたが、その後長期にわたって工場の成績を示す品質、歩留まり、サイクルタイムなどほとんどの評価項目で、モトローラ全工場のトップ成績を続けるようになりました。
04年にフリースケールの傘下になった後もトップの座を維持し続けましたが、残念なことに12年末で操業停止と決まってしまいました。
落胆し、働く意欲をなくし、成績も落ちるのではないかと心配しました。ところが操業を停止する最後の日まで、最高の歩留まり、品質を彼らは維持し続けたのです。しかも東日本大震災で大きな被害を受けたにもかかわらずです。
「最後まで最高の成績を出すのは、会社のためではなく、自分のため、仲間のためです」とみんなが言うのです。これこそが組革研で学んだ「仕事を自分事として捉えること」だと感じました。
今思えば、社員の10%が組革研に参加し、衝撃を受けた人もそうでなかった人も、心の奥で影響を受けたものを、身体の中に秘めていて、それがこのような形で現れたのかもしれないと改めて思いました。
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