部下が課の誇りをかけて取り組み始めた

「いいな」と思われたら押してください。

　ベテランが次々と定年退職の時期を迎え、比較的経験の浅い者でも仕事を引き継がなくてはいけない状況にあります。私自身も前任者の退職に伴い、まったく職種の違う職場から１年半前に異動してきました。
　最近になって、部下の１人を部内最年少で作業長にしました。彼は入社から塗装一筋で技術も横の繋がりもありますが、少しルーズで休みがちなところもあり、躊躇しながらの任命でした。
　その後、彼の仕事量が多くなり、若手ということもあって私が何かと手助けするようになりました。しかし、いつの間にかそれがあたり前のことになり、私はその状況を愚痴るようになっていました。
　組革研に参加すると、「部下を大事にするとは問題に直面させること」という言葉にハッとさせられました。私はまったく逆のことをやっていたのです。
　職場に戻ると、彼への手助けをできる限り止めました。また、もう１人の作業長も含めて定期的にミーティングを行うことにしました。３人で職場の問題を出し合いその解決を作業長たちに任せることにすると、次第に彼の表情に真剣味が増してきました。
　さらに彼を職場改善活動のリーダーにすると、その動きが変わってきました。塗装課は改善活動の全社大会で過去３回優勝しています。彼は塗装課の誇りをかけて今回も優勝を狙おうと取り組み始め、スプレー塗装を増やして刷毛塗りを削減するなど、効率を上げるための様々なアイディアを出すようになったのです。
　変わりつつある作業長に対し、私自身はまだ余計な手助けをしてしまうことがあり、組革研での体験を思い出しては「まず自分が変わらなければ」と気を引きしめています。