まだまだロボット症から抜け出せない

「いいな」と思われたら押してください。

　毎月１回、私が事務局になって製造現場の品質パトロールを実施しています。各部署長と工程内検査員がペアになり、作業者に質問して品質管理状態をチェックするのです。
　パトロール後に現場での様子を聞くと、トラブルが起きた場合の後工程への連絡手順について作業者に尋ねても「それは課長に聞いてください」と返ってくる有様で、当事者意識が全く感じられないと言うのです。その後、パトロールをくり返してもこれといった成果は上がらず、どうしたものかと悩みました。
　そんなとき組革研でロボット症の話を聞いて愕然としました。それは自分も含めた職場の状態そのものでした。そしてまず、自分がこの状態に向き合い、変えるために考え抜かなければいけないと思ったのです。
　職場に戻ると、すぐにパトロール時のチェックリストを見直しました。そして、本当に作業者の意識を変えたいなら、彼ら自身にリストを作ってもらうしかないのではないかと考えつきました。
　勇んで上司に報告すると、「どうやってみんなに書いてもらうんだ？」「項目を挙げてもらってどうするんだ？」と反対に聞かれハッと気づきました。私はちょっとしたアイディアを思いついただけで、良く考えもせず上司に答えを求めていたのです。相変わらずロボット症から抜け出せていないのだと反省させられました。
　チェックリストの見直しについては、その後、関係者と相談しながら具体的な内容を決め、上司からは「やってみなさい」と言っていただけました。品質問題を作業者の自分事にするという課題をとおして、自分も変わっていきたいと考えています。