部下たちがお客様に向き合い始めた

「いいな」と思われたら押してください。

　「部下の指示待ちは上司がつくっている」という言葉に、職場のことが思い出されました。各拠点長を集めての毎月の中間見通し会議では、目標数値が達成されていないと一方的に対策を指示するばかりでした。
　組革研から戻ると、現場と一体になり何かを変えたいと考えて、まずは私とサービス総括課長の机を２階本部フロアから１階にある秋田店の一角へ移動し、常に現場にいるようにしました。
　すると店舗メンバーの動きに変化が現れてきました。
　まず、これまで不定期だったお客様対応についての会議を月２回行うようになりました。進行を店長に任せてできるだけ口を出さないようにすると、以前は店長の発言ばかりだったのが、お客様目線での意見や女性ならではのアイディアが活発に出されるようになりました。
　顧客アンケートを全員で確認すると、来店されたお客様への対応を疎かにしていたことがわかり、全員が真剣な顔つきになってきました。
　私はこれまで業績の数値のことばかりガミガミ言ってきましたが、そのことで部下たちにやらされ感を持たせ、お客様に向き合いたいという思いを邪魔していたのだと気づかされました。
　その後、店長を始め全員がお客様のために動き出しました。
　入口にお出迎えスタッフを常駐させ、受付にも常に誰かがいる体制をつくり、お客様の来店時には全員の挨拶が店内に響き渡るようになりました。来店の多い週末だけ使用していたインカムも常に装着して連携を図ると、店舗全体に活気が出てきたのです。
　自分の机を現場に移すことで、お客様が一番大事なのだということを部下たちに改めて教えてもらうことができました。