会議での発言とともに部下たちが動き始めた

「いいな」と思われたら押してください。

　「もっと私たちを信頼してください」。部下と話していると、こう言われることがよくありました。
　生協組合員への宅配業務と加入促進を受託で行っています。私はこれまで、部下の自主性を育てたいと考えてやってきたつもりでした。しかし組革研を体験すると、部下の新しい発想や提案を否定していた場面が思い出され、自分の思うように動かそうとしていたのだと気づかされました。　　　　
　部下とのかかわりを変えようと、まずは運営会議のすすめかたに着目しました。以前は、部下がフォーマットに書き込んだ資料を読み上げ、その後は質問や発言も少ないまま、私のコメントで終わりにしていました。
　これを、部下が提起した現場の問題について、まずはその状況を各自で紙に書いて貼り出し、お互いに見比べて共有。その後、全員で対策を書き出して討議することにしました。
　最初のテーマは「利用者の減少」でした。みんな初めてのすすめかたに戸惑いながらも書いたものを貼り出しましたが、その後はなかなか発言が出てきません。
　ところが、私が以前から「自分都合で行動している」と指摘してきた部下から「売るのではなく買っていただくにはどうしたらいいか？」などと利用者の立場で考えた意見が出されました。私は半ば驚きながらもその内容を肯定すると、次第に他の人からも発言が出てくるようになったのです。
　会議をくり返すと部下たちは活発に議論するようになり、それとともに、現場が中心になってマニュアルを見直したり、過去に効果がなかった取り組みでも視点を変えて再チャレンジしたりと、彼らの自主的な動きが見られるようになってきました。