部下が質問に自信を持って答えるようになった

「いいな」と思われたら押してください。

　工場の作業手順書を見直すことになり、本人の勉強のために比較的経験の浅い者に担当させることにしました。
　数日後、提出された手順書に目を通すと、まじめに取り組んだ様子はうかがえるのですが、見れば見るほど気になる点が出てきて、いちいちコメントをつけて書き直しを指示していました。
　組革研から戻ると、手直しされた作業手順書が提出されており、担当者は私の指示どおりにしてくれていました。気になるところに改めて赤字を入れようとして、ふと、こんな風にこと細かな指示ばかりして自分の考えを押しつけていると、むしろ成長を邪魔してしまうのではないかと不安になってきました。
　そこで、コメントのしかたを少し変えてみることにしました。これまでのように修正内容を具体的に指示するのを止め、「ここはこれでいいの？」「なぜこうなっているの？」と質問するだけにしてみたのです。
　部下はなかなか答えられず戸惑っているようでしたが、私は「とにかく後は任せるから、自分で考えてやってみて」とだけ伝えました。
　すると数日後、作業手順書で私が指摘した箇所について、彼が先輩や上司に相談している姿が見られました。
　その後、彼が提出した作業手順書を見ると、周りの人の意見を取り入れて、よく考えられたものになっていました。内容について質問すると自信を持って的確に答え、自分で考えたり調べたりしたことが彼自身のものになっていることがわかりました。
　彼はその後も別の作業手順書の見直しに取り組んでいます。最近では、彼が加えた修正から逆に私が気づかされ感心することもあります。