わが生協の命運を「人間力」にかける

「いいな」と思われたら押してください。

　店舗事業を立て直さなければ、わが生協はつぶれる。昨年、執行責任者となった私は重い課題と向き合うことになりました。
　スーパーマーケットを展開する店舗事業では、利用者である組合員のニーズを反映しているつもりでしたが、いつの間にか売り上げが落ち込み赤字が続いています。さまざまな仕組みを導入したり、お手本となりそうな店舗のすすめかたを真似したり、あの手この手を尽くしてみても状況は変わらず、焦るばかりでした。
　そんなとき、ある生協が組革研を活用して店舗経営の改革を推進していることを知り、話をうかがううちに、私が「仕組み」や「やりかた」ばかりに目を向けていたことに気づかされました。
　もう一度原点に立ち戻りたいと、２２年前に体験した組革研に再参加してみると、５日を過ごす間に職場の状態が思い出されてきました。
　これまで、拠点長を集めた会議では、「目標をこういう理由でこのように設定した。そのためにはこうすすめたい」などと会議の９０％近くを私が話し、最後に異議のないことを確認して、共有化できたと満足していました。
　ところが、しばらくして進捗を尋ねてみると、「まだ手を付けていません」「来週からやります」などと返ってきます。そこで具体的な指示を出すと、型どおりやるものの、納期に目標を達成できていないという状態でした。
　私が部下の力を抑え込んでいたこと、また、それが組織の体質であることを組革研で痛感させられました。このような体質を変えなければわが生協の明日はありません。
　まずは幹部を中心に組革研への派遣を始めたところです。その部下たちと一緒に改革をすすめていきたいと考えています。