プログラマーを本気にさせていなかった

「いいな」と思われたら押してください。

　タイヤ設計部門からのシステム修正や更新の依頼を取りまとめ、基本設計をして、プログラマーに発注しています。
　先日の案件では至急の対応を求められ、急いで仕様を決めてプログラマーに渡しました。その後、進捗を確認すると、彼は「システムの中味が複雑で不明点が多すぎます。とても納期までに終わりませんよ」と平気な顔で答えたのです。
　「冗談じゃありません。もう納期は譲りませんよ！」と強く言い放つと、彼は焦り始めました。私はその表情を見て、これまで納期遅れや言い訳を許してきた自分が悪かったのかと改めて思い知らされました。
　現部署に異動してきた頃の私は設計のことが何もわからず、へたに動いて周りに迷惑をかけるより依頼どおりに対応した方がいいと考えていました。プログラマーへの発注もほぼ丸投げで、「この納期では無理」と言われれば鵜呑みにして設計部門に迷惑をかけていました。
　組革研を体験してからは、わからないことは現地現物から明らかにしなければならないと考えるようになり、プログラマーに対しても依頼内容をとことん調べたうえで発注するようにしました。しかし、納期についてはこちらの要求を押し通すことがなかなかできないままだったのです。「無理を言って嫌われたくない」という気持ちもあったのだと思います。
　今度こそは納期を遅らせまいと、一緒に不明点を明らかにして仕様を確認し直すと、プログラマーは一時間で雛形をつくってきました。驚いたことに、それはほぼ完成に近い形まででき上がっていました。一日あれば十分できる依頼を、一週間以上かかると言わせてしまっていたのです。やはり私がプログラマーを本気にさせていなかったのだと深く反省させられました。