部下たちが困難を受け止めてくれた

「いいな」と思われたら押してください。

　お客様から急に納期を早めるように言われると、部下に「ただでさえ手一杯なのに、申し訳ない」と言ってお願いしていました。いつも製造ラインに一緒に立って、どの製品から流せば効率がいいかを私が判断し、「この順番で加工してください」と段取りを指示していました。
　昨年、会社から部署の人員を減らす方針が出されました。１人が担当する機械を、それまでの４台から一気に８台に増やすことになり、どうしたものかと悩んでいるときに組革研に参加しました。
　リーダーは何も教えてくれず、自分たちで考えてすすめざるを得ない中で、いつの間にか必死になって課題に取り組んでいました。仕事を自分の問題にすることの大切さがわかり、これまで自分は部下たちを正反対の状態にさせていたのではないかと考えるようになりました。
　職場に戻り、ミーティングで部下たちに「この人数でやっていくにはどうしたらいいだろうか？」と問いかけてみました。
　本気で考えてくれるだろうか、「考えるのは自分の仕事じゃない」と言われるのではないかと不安でした。ところが、部下たちは意外にも「こう考えているけど、〇〇さんはどう思う？」などとその場で話し始めたのです。
　「班長がやったらいいじゃないですか」と言う部下もいました。しかし、すぐに「自分たちでできることを考えるんだ」という声が上がり、「この工程は製品が溜まりがちだから手伝ってくれ」などと具体的な打ち合わせに入っていました。
　これまでは、機械が止まると「誰か手伝ってやって」と私が指示してやらせていたのですが、部下たちが動かないのではなく、私が邪魔していたのだということがよくわかりました。