不良発生の周囲にも目を向ける

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　製造工程で不良が発生すると、その状態と設備の該当箇所だけを見て対策を考えていました。そのときは改善されても、数日後にはまた同じ不良が発生することがありました。
　組革研を体験して、根本的な解決のためには、まずは不良がどうなっているかを明らかにしなければならないと気づかされました。そして、不良が発生した設備の周辺までよく調べるようにしました。
　すると、私が不良の要因と考えたのと同じ条件が、近くの似たような設備にもあることに気づきました。しかし、そこでは不良は発生していません。２つの設備を詳しく調べてみると、使われている部品や動作設定の微妙な違いが不良発生と関係していることがわかってきたのです。
　その後の不良発生時には、他の似たような設備と比較して相違を明らかにするようにしました。そこからヒントを得て設備を調整したり材料の種類変更を行うと、以前よりも不良の再発が少なくなってきました。
　再発率が目に見えて下がってくると、現場の作業者が不良解消のための工程変更テストを快諾してくれるようになりました。以前は、その場しのぎの修繕のために行っていたので、目的もはっきりしないうえに失敗も多く、すんなりとは受け入れてもらえなかったのです。
　不良対策に協力して取り組んでいる製造課でも、最近は私たちのやりかたを取り入れて、不良が起きている箇所の周囲までよく調べるようになってきました。
　以前であれば、原因がわからないときはすぐ私たち生産技術課に依頼してきたのですが、自分たちでできることを自発的に考えてすすめるようになってきています。