隠れていた部下の力に気づく

「いいな」と思われたら押してください。

　昨年より現職となり、最初に着手しなければならなかったのは書類づくりでした。物流現場が必要とする作業手順書や安全管理の書類整備が遅れていたのです。現場作業ばかりしてきた私には慣れないことで、かなりの重荷になっていました。
　組革研に参加する直前、私はある機械の作業手順書の作成を滞らせたままでした。提出期限は組革研終了直後。なかば諦めながら、私以上に書類づくりに慣れていない年上の作業長に作成を頼み、不安を抱えたまま職場を離れました。
　職場に戻ると、手順書は私が想像していた以上のでき栄えで仕上げられており、部下の力を勝手に決めつけていたことを申し訳なく思いました。
　部下たちは私が気づかない力を持っているのだと考え、これまで一人で抱え込んでいた書類整備を任せてみることにしました。そしてミーティングで私が困っていることを説明し、やってみたいと思う者を募ると、数名が手を挙げてくれたのです。
　いつも指示どおりに黙々と現場作業をするばかりだった部下たちには、何か新しい業務に挑戦したいという思いがあったのかもしれません。
　ある日の夕方、事務所では部下が安全管理の書類づくりに取り組んでいました。他の書類整備を担当する部下たちもいつの間にか集まってきて、パソコン画面を覗き込みながら「こうしたら？」「いや、こっちがいい」と相談し出しました。終業時間になっても終わらず、翌日以降も同じ光景が見られるようになりました。
　今は、彼らの熱心さが一時的なもので終わらずに、職場全体に広がるにはどうしたらいいかと考えています。