過去の経験だけですすめていた

「いいな」と思われたら押してください。

　私の部署では、新たに開発された商品の量産化を実現するために、改良を加えたり設備を準備するなど、様々な手配をしています。
　タイヤ金型の改造も量産化のための準備の一つです。しかし、工場に改造を依頼しても納期どおりにすすめられず、改良品の販売が遅れるという事態が発生していました。
　工場の進行管理に問題があると考えていました。しかし組革研参加後に、現場の状況を明らかにしなければと実際に行って調べてみました。すると、従来品の生産がまだ続いており、金型を改造できない状況があるとわかったのです。
　私はこの仕事に１０年以上携わっており、過去の経験から「大体これぐらいの期間を見ておけば問題ないであろう」と部下に伝えて計画を立てさせていました。しかし、現場の状況によっては無理な日程の押し付けになっていたのだと今さら気づき、愕然としました。
　この経験から、改造に際しては、従来品の生産状況やオーダー予測について関連部署から情報を得て、現場の状況を調べるようにしています。
　部下に対しても、私の経験を押し付けるのは止め、自分で調べて金型の改造計画を立てさせました。すると、やることが決まっている定例会議の運営でも、「なぜそれが議題になるのか」を課内で事前に話し合ってからすすめるようになりました。
　また、営業からの要望に応えるのが難しくなると、これまでは「どうしましょう？」などと聞いてくるだけでしたが、販売時期を遅らせた場合と工場に負荷をかけて間に合わせた場合、それぞれの問題点を明らかにしたうえで相談するようになってきました。