新しい事実を見つける

「いいな」と思われたら押してください。

　ダイヤモンド工具などを製造する工場設備の管理を担当しています。
　ラインの途中で製品の形状不良が発生すると、設備をひととおり確認し、問題が見つからなければ経験と勘で調整し解決しようとしていました。そのときは良くなっても後になって再発することが多く、「原因があるはずなのに」と思いながらも同じことをくり返していました。
　嫌々ながら参加した組革研では、現場の調査で発見が増えるにつれて楽しく思えてくる自分に気づきました。困難な仕事でも、正面から取り組んで対象を明らかにしていけば乗り越えられるという確信が持てました。
　そしてその後は、設備トラブルの際にすぐ対策に移るのは止め、まず設備に何が起きているのか、わかっていること、わからないことを書き出して把握するようにしたのです。
　あるとき製品の形状不良が再発し、設備の状態、特に加工工具の形状を調べて書き出しました。すると、問題ないだろうと思っていた工具の先端にわずかな異常が見つかりました。
　この加工工具は摩耗すると研削し直すのですが、作業者は手順どおりやっていました。ほかに手がかりはないかと改めて設備を調べていると、ツールを研削するグラインダーが目に入り「あっ」と思いました。設備についてはくり返し調べましたが、グラインダーのことまでは気にしていなかったのです。調べてみると砥石が摩耗しており、それが形状不良につながっていたことがわりました。
　解決できない問題はまだまだありますが、「これを何とかすればもっと使える設備にできる」と前向きに考えて調べると、新しい事実が少しずつわかり、楽しく思えるようになってきています。