受け身体質から抜け出す

「いいな」と思われたら押してください。

　組革研の「Ｓ－２０」では、競合チームとの勝負に敗れても心底悔しいという感情は湧いてきませんでした。普段の仕事に対する私の姿勢をそのまま映し出す鏡のようでした。周りのメンバーと比べると、私にはやり遂げようとする熱意や競争意識が足りず、誰かがやってくれるだろうと甘えるばかり。 受け身体質が染みついた自分に愕然とするばかりでした。
　職場では計測機器のソフトウェア開発を担当しています。親会社からの受託業務が多く、渡された仕様書どおりにつくるだけで、競合他社を意識したことなどありませんでした。しかし、部署は２期連続で赤字となり、新規顧客を獲得するために提案型の仕事に変えていくことを求められていました。
　職場に戻り、受け身体質から脱却するにはどうしたらいいかと悩みました。仕様書どおり仕事をするだけではだめで、上流設計から参画し仕様を提案できるようになりたいと上司に相談すると、親会社に席を移して仕様書づくりから担当することになりました。
　仕様の打ち合わせに参加すると、エンドユーザーと接することが多い担当者がその視点から話すのを聞いて納得させられるなど、見習うべきことばかりです。しかし最近では、教えてもらう一方だった仕様書づくりで、逆に「この部分はどうなっていたっけ？」と質問されるようにもなり、自分の仕事だという実感も湧いてきました。
　作成した仕様書を事前に担当者に見てもらうと、漏れを指摘されることがまだあります。依頼されていることから外れていないか、何度もチェックしながらすすめているところです。
　今後、エンドユーザーの声を直接聞く機会をつくるなどして、視野を広げていかなければならないと考えています。