部下たちとロボット症からの脱却を目指した

「いいな」と思われたら押してください。

　昨年９月、自部署の業務が計画どおりかを本部に報告する機会があり、内容の作成を任されました。私は、前任者と同じように資料をまとめればいいだろうと考えましたが、結果として本部の評価は低く「事業部の思いを伝えきれなかった」と後悔が残りました。
　組革研でロボット症の話を聞いて、ただ過去の事例に従うことしか考えなかった自分自身のことなのだと思いました。
　また、部下への接しかたを振り返ると、資料をまとめさせるときには「この結論に向け、前に使ったこの資料を流用して展開してほしい。具体的には…」と自分の筋書きどおりにすすめ　させていました。部下の作業に対しても頻繁に意見や指示を与えて、自分が思い描くアウトプットのイメージまで明示していたのです。
　何とか変えようと考えていると、本部への報告をする機会が再び訪れ、今度は部下たちとすすめることにしました。彼らには、私自身が自分で考えようとせずに失敗したことを正直に話し、どのような報告にすれば我われの活動がきちんと伝わるか、過去の資料に頼らずに一緒に考えてほしいと相談しました。
　具体的な指示はせずにただ「各自で考えるように」と伝えると、みんなキョトンとしていました。しかし個で案を出させ続けると、やっと自分の仕事だと思えたのか、その後は自分たちで資料の構成や分担を決めるようになり、個々に結論まで検討してぶつけ合い方向性を出しました。
　報告の当日、部長から「君たちが魂を込めてまとめたのだから」と言われ、私が部長の名代として説明すると、本部からは「事業部の動きが良くわかった」との評価をいただけました。