引き継いだ仕事を自分のものに

「いいな」と思われたら押してください。

　昨年より超大型タイヤ専門工場の生産計画を立案する部署に異動しました。丁寧な引き継ぎがあり、業務のマニュアルも熟読してわかったつもりになっていました。しかし、オーダーが想定からずれたり、工場の設備にトラブルが生じた場合など、マニュアルに書かれていないことが起こると、どう動けば良いかわからず前任者に対処法を聞いていました。
　会議で数値データを報告しても、そこから何が読み取れるのか、今後どうすべきかといった自分なりの考えを持って伝えることはできません。
　ただ、引き継いだことをこなしているだけだと感じていました。
　組革研を体験し、自分の仕事の中で対象がどのようにできているかを徹底的に調べることにしました。これまで、供給能力とオーダーの差すら明らかにしていなかったのです。
　各工場の設備、オーダーの推移や特徴などについてデータを調べることから始め、決算資料から工場ごと、製品ごとの供給能力をグラフ化し、地域ごとのオーダーの実績と重ねて比較してみました。
　すると、ある工場でオーダーに対する供給能力が不足しているのが目に付きました。１本でも多くのタイヤを供給するためにどうすれば良いかとさらにデータを探り、別工場の大型設備を移設して供給能力を増強するという案にたどり着きました。多額の輸送費がかかりますが、移設による供給増で利益が確保できることをデータに基づいて上司に示し、何とか承認していただけました。
　移設の結果、輸送にかかった費用を大きく上回る利益が実現され、初めて仕事で達成感を感じることができました。その後も、多くのデータを集めたうえで、対象が「どうなっているか」から始めるようにしています。