あなたが部下をそうさせているのでは？

「いいな」と思われたら押してください。

　職場では製品の検査業務を２４時間の３交代制で行なっており、今年から私が全体のリーダーを務めるようになりました。
　設備や品質にトラブルが発生すると、部下はその状態を調べもせずに発生したことだけを私に報告してきました。私が現場を見ないと対応できないことが頻繁にあり、対策が遅れ不良品が作られ続けたこともあります。彼らは、前工程から不良品が流れてきても私に報告するまで対処せず、自分たちのミスで不良品を見逃してもその数すら確認しようとはしませんでした。
　組革研に参加し、彼らの問題をどうにかしたいとキャンパスリーダーに質問をぶつけてみました。すると「あなたが部下をそうさせているのではないですか？」と言われ、ひどくショックを受けました。
　私は「しかたない」と思いながら現場に駆けつけて対処していましたが、そのことが部下たちから考える必要を奪っていたのだとは考えてもみなかったのです。
　組革研から戻ると、部下に「私一人では対応しきれない。できることは自分たちで考えて実行してほしい」と訴えかけ、その後は細かな指示や手出しを極力しないようにしました。
　最初は、不良品が出てもどこに原因があるのか、どう対処すべきかわからずに戸惑っていました。何度も質問に来たり、私が行くまで何もできない状態はなかなか変わりません。
　しかし最近になって、自分の目で見て考えながら行うことで少しずつ糸口が見つかり、実際に不良品が減ることを実感すると意欲的になってきたようです。トラブル発生時の報告先や対処法について、部下たちが互いに確認し合う姿が見られるようになっています。