ついついがまんできずに

「いいな」と思われたら押してください。

　「組革研」での「リーダーは三つの逆をやっている」というお話に、これは自分のことだと息を呑みました。
　私は、係の若手教育を担当しています。彼らには、私が細かくまとめた説明資料を配り、その内容を教えることが最善の方法だと思い込んでいました。彼らから「わかりやすい」と言われていたこともあり、自分のやり方に自信を持っていました。理解が追い付かないメンバーがいると、教えられる側の力量不足、と腹立たしくさえ思っていました。
　ところが「組革研」で気付かされました。それは間違いだったことにです。私は、言われたとおりに動く人を作り上げていただけでした。それからは、冷たいと思われても教えないと決めました。
　最初は戸惑っていた彼らも、一つの事を調べると新たな疑問が生まれ、またそれを調べるといったことの繰り返しで理解が深まり、仕事への興味が湧いてきているようです。彼らの意識にも少しずつ変化が表れてきました。しかし、まだまだでした。
　製品の加工作業で仕上がりに問題が出たときのことです。不安な様子の作業担当の彼は、私に「どうすればいいですか」と以前のように対応方法を聞いてきました。私が「失敗してもいいから自分で考えてやってみて」と言ってもまだ心配顔です。それでも彼には自分の力で考え抜いてもらいたいと思い、口出しは封印しました。
　しかし、現場で困っている若手の姿を見ていると、ついついがまんできずに調べる方法を示したり、同じような製品、設備を取り扱っている先輩に質問させたりと、出しゃばってしまうことが何度かありました。自分が変わらなければならないのに、またやってしまったと、反省することしきりです。