図面を見る時間を何とか捻出している

「いいな」と思われたら押してください。

　 組革研で学んだのは 「脱・手抜き」、そして自分事として取り組むこと。 言葉にすれば当りまえです。 しかし、実際にはできていませんでした。
　 船体設計の図面で起こるミスや見落としに悩んでいた私は、組革研後、自分でやり終えたと思った図面をもう一度見直すことから始めました。 もう大丈夫だろうという気持ちを抑え、 「待てよ、まだ何かあるはず」と思って何回も図面の確認を繰り返しました。
　 図面の品質にこだわりを持つことを、次第に拡げて若手設計者たちにも求めていきました。 まず、彼らが作成した図面を私が確認することを止め、彼ら自身で確かめ完成させるようにしました。 そして、本人が自信を持って言うまで 「本当に大丈夫か？」としつこいくらいに尋ねました。
　 次第に 「自分がこの船を設計する」という意識を持つように変わってきていますが、まだ十分ではありません。 若手設計者は、図面以外に様々な計算を担当することが多いのですが、その量が膨大なため、計算書をまとめる事だけで精一杯になってしまい、図面は二の次になってしまうのです。
　 締め切りが迫ると、図面については私や別のベテラン設計者が手伝うことがしばしばありました。
　 しかし私の中で 「これは間違っている」という思いが抜けませんでした。 若い彼らの図面を見る機会を奪っていては、設計者としての知識がいつまで経っても根付かないと思えたのです。
　 もう一度、彼らに図面をしっかり見させることを始めました。 他部署からきた図面も含めて彼らに確認を任せています。 彼らは計算の合間を見つけ、図面をしっかり見る時間を何とか捻出しようと悪戦苦闘し、次第にその時間が増えてきています。 まだ見落としが無くなったわけではありません。 しかしその課題も、彼らは必ず乗り越えられると思っています。