口うるさくなったと思われているかもしれない

「いいな」と思われたら押してください。

　 何度も現場に行って調査を続けているうちに、思い込みがどんなに事実を見えなくさせ、「対象」に迫ることから遠ざけてしまうかに気づきました。
　 こま図を忠実に、きちんと見ようと下期 「Ｓ－２０」に臨みました。 ところがその途中、こま図を見た途端に私は自分の勝手な解釈ですすんでしまったのです。 その判断は誤りでした。 その後道に迷ってしまい、けっきょくゴールできませんでした。
　 その体質は職場でも同じでした。 今まで私は部下から報告を聞きながら、同時に原因と対策を思い浮かべ、彼らに指示をしていたのです。
　 自分自身が設備を操作していた頃は、トラブルが発生すると、調べなくてはいけない箇所をメモに書き出し、調査をくり返しました。ところが、部下を持ってからは効率を優先させ、彼らからの報告だけで判断し指示するようになってしまっていました。
　 組革研後のある日、部下の一人が、トラブルが発生したので設備を緊急停止させ、それによって破損した部品を交換したと報告しにきました。
　 以前なら 「わかった」で終りです。 しかし、それが原因だったのか、それで終わらせていいのかと疑問が浮かびました。 「対象」に迫っていないことに気づき、彼にもう一度調べ直すよう伝えました。
　 調べ直してみると、汚れによってトラブルが引き起こされたことがわかりました。 部品の周りに積み重なった汚れが異常を起こし、破損に繋がったのです。 部品を替えただけでは根本にある汚れ問題は解決しません。 日々のメンテナンスに問題があることがわかりました。
　 それ以降、部下の報告で調査不足と感じた時には、もう一度調べさせています。 部下たちからは口うるさくなったと思われているかもしれません。