頭だけで考えて成功事例に飛びついてしまった

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　 ２年まえ、かつての職場であった研究所に再び戻り、あるプロジェクトのリーダーを任されました。 設計品質の向上とサービス向上を目的として、これまでも設計時に加えられた工夫やノウハウをデータベース化して全社に公開してきました。 しかし現状はあまり活用されていません。 もっと幅広く活用されることを第一の目的として取り組みはじめました。
　 過去にはどのようなデータの整理方法があるだろうか。 まず私はさまざまなテキストや書籍を調べはじめました。 そしてその中から既に他でも活用され、うまくいっている整理方法の一つを選びました。
　 ところがなかなかすすみません。 私は全員参加の合宿を計画し、この遅れを取り戻そうと考えました。
　 しかし気合を入れて臨んだ合宿の冒頭、 「このやりかたはダメ」とみんなから言われてしまったのです。 丁寧に整理すればするほどばらつきが大きく、まとめられなくなり、検索できないということでした。
　 私が選んだのは特定分野での整理方法でした。 広い範囲や多くの業務にまたがる状況と異なるのは、少し考えただけでわかることだったのです。
　 その時、組革研の体験をはっきりと思い出しました。 お膳立ては何ひとつなくわからないことだらけ。 気づいたらそのど真ん中で、自分の力だけを頼りにのたうちまわっていた、そんな強烈な体験でした。
　 頭だけで考えて成功事例に飛びついてしまった私は、組革研から何も学んでいなかったのです。 ショックでした。
　 すぐテーマを切換え、各自でデータベースの中からわからないことを出すことからやり直しました。 それから数回の会合を経ています。 いまは各自が考えた案を材料にして、データを利用する方の声を集めているところです。