一つの取りこぼしもしない覚悟で部下が取り組みはじめた

「いいな」と思われたら押してください。

　 上期 「Ｓ－２０」 で私のチームは赤字となり、食事代すら無くなりました。 今後は食事のつど、各自の名まえを書いた 「赤字食券」 を提出しなくては食べられません。 「メンバーにどう渡すの？」 とキャンパスリーダーから問われ、 「赤字業績ですと伝えながら」 と答えた途端、一喝されました。
　 一喝された意味が理解できず、最初は怒りさえ感じました。 しかし、次第に自分の言葉がどんなに上から目線だったかに気づいたのです。 赤字業績は百も承知、本人たちが一番悔しい思いをしているのに、さらに塩を塗るような事務的な言葉をかけようとしてしまった。 無意識に出た言葉こそ本音だと思うと、居たたまれなくなり、メンバーに申しわけなくなりました。
　 昨年の 「メンバー参加」 で、部下への指示を止めようとしてもできなかった原因が、私の有り様だったことにようやく気づきました。
　 職場に戻り、自分の体質に気づいた今回の体験を部下たちにそのまま語り、謝りました。 そして、今まで仕事のやりかたを指示していたと思ったミーティングを全て止めました。
　 当初は、彼らの動きがとても遅く感じました。 以前はこの時点ですぐに口出ししてしまいましたが、今回は、そう感じるのも上から見ている証拠だと自分に言い聞かせ、彼らの動きを見ることに徹しました。
　 間もなくあちこちで変化が見えはじめました。 横どうし自発的に集まって意見を交わすようになってきたのです。 今までは 「全部はやり切れないから優先順位をつけて…」 という囁きが取り組むまえから聞かれましたが、 「全てやらなければならないのだから、どうできるか考えよう」 と、一つの取りこぼしもしない覚悟で彼らは取り組んでいます。
　 これまで、いかに彼らの力を信じていなかったのかと痛感しました。