補佐役になった途端、部下が変わりはじめた

「いいな」と思われたら押してください。

　 昨年４月に異動し、新たな部下全員と面談した途端、二人から 「他の部署に変わりたい」 と言われました。 営業職に自信を持てず、今回の異動で事務職を希望したのですが希望が通らなかったのです。 彼らは日に日に元気が無くなり、休みがちになっていきました。
　 ８年まえの組革研で、私は 「人を人として」 という言葉に感銘を受け、部下にはもっと 「人間力」 があると信じてやってきました。 二人が例外のはずがない。 私はさらに面接を重ね、二人をよく知ることから始めました。
　 その内の一人は、管理職を希望するほど、知識やノウハウも他に引けを取らない人でした。 しかし、希望していた事務職に異動できないとわかった今は、営業に対する熱意やモチベーションが無くなり、バリバリに営業をやっていたかつての姿はまったく見られません。
　 そんな彼に 「現場で後輩を指導してほしい」 と伝え、５人のプロジェクトチームを作ってリーダーを任せました。 活動テーマは 「量販売場の販売形態や商品演出の改善」 です。 そしてチームの動きを見るようにしました。
　 ところが数か月経っても個々の動きは遅く、しかもバラバラです。 私もしばらくは我慢していましたが、ついに組織を変えることを決意しました。 後輩をリーダー役にし、彼をその補佐役にしたのです。
　 補佐役になった途端、彼が変わりはじめました。 発言が驚くほど増え、まるで自分こそリーダーだというように全員を引っ張っていきます。 動きが鈍かった他のメンバーに喝を入れている姿も目にしました。
　 １０か月後、彼らの手が入らない売場はなく、各々の売場は変わりました。 以前の５０％増となった売場もあるほどです。 「支店長にやられた」 と本人から照れ臭そうに言われ、自信に満ちた顔を見て私も安心しました。