部下が延ばした納期を、強引に元に戻させた

「いいな」と思われたら押してください。

　 組革研２日目、深夜になってから仕組みの一部がまだ検証できていないことがわかりました。 「今晩中に 『Ｓ－２０』 の仕組みを掴み切る」 が課題です。 しかし、予定していた調査項目を終えていたメンバーは仕事を終わらせようとしました。 私もそのつもりだったのです。 ところが直後、ブロックリーダーから 「わかってないのに終わらせるのか」 と強く言われたのです。 その瞬間、少しぐらいはわからないことがあってもいいだろうと甘く考え、楽に流れようとするメンバーに迎合したことに気づきました。
　 職場では８年ぶりの新工場建設がすすみ、組革研から戻ると工事も終盤に差し掛かり、溶接装置など設備の設置工事がはじまっていました。
　 しかし、この期に及んで検討不足によるレイアウトの変更を迫られ、部品の手配漏れもわかったのです。 急きょ部下たちは予定を組み直しましたが、改めて彼らが納期目標にしたのは、当初の完工予定日ではなく、１週間後の稼働開始日でした。 知らされた私は、 「それはおかしい。 絶対に当初の予定日に完了させるように」 と言って、強引に元に戻させました。
　 全員が予定日に間に合わそうと必死で動きはじめました。 その後も設置工事の途中でさまざまな問題が生じましたが、何とか予定どおりに新工場の安全祈願祭を開催できました。 その立上げでは、部下たちが開発した１０電極溶接装置を使って火入れするという、ユニークなセレモニーで全員が喜びを分かち合うことができたのです。 部下の一人が、 「こんなに仕事をおもしろいと感じたことがなかった」 と数日間をふり返っていました。
　 組革研の 「リーダー体験」 がなければ、納期を延ばそうという彼らからの提案に流されていたかもしれません。 易きに流されないことの大切さを改めて実感しました。