自分が変わるしかないと決意した

「いいな」と思われたら押してください。

　 組革研参加直後、課長になって任された工場は設備の老朽化によるトラブルが頻繁し、毎日、その対応に追われていました。 このままでは、本来取り組むべき安全活動や改善活動にも手が回りません。 「古い設備だからしかたない」 という諦めの声も現場から聞こえていました。
　 部下である係長は２人。 ここで長年働いてきた経験豊富なたたき上げです。 私とはちょうど親子ほどの年齢差でした。 私はこの職場に異動してきたばかりで、もしかしたら、すぐにまた変わるだろうと彼らから見られていたかもしれません。 こんな状態では、部下と一丸となって課題に立ち向かっていくのはとても困難です。
　 その時、組革研でお聞きした 「リーダーとは嫌われて、愛される存在」 という言葉を思い出しました。 しかし、それをどうやって仕事に当てはめていくのか。 どんな綺麗な言葉を並べても、心に響かなければ誰も動きません。 考えた末、まずは自分が変わるしかないと決意しました。
　 「対象」 を直視するため、現場に張り付き、トラブルの要因と考えられる全ての事象を抽出しました。 さらに現場や関係部門と連日連夜、顔を突き合わせてくり返し議論しました。 今できることを確実に少しずつやっていこうとすすめるうちに、いつしか周囲の声や反応も気にならなくなりました。
　 しばらくすると係長が変わりはじめました。 「ここもよく見たほうがいいんじゃないか」、 「昨日と動きが違う。 大事になるまえに止めて点検しよう」 と、具体的な意見が次第に出てくるようになったのです。
　 係長のその姿が職場全体に感染しました。 全員が操業、設備安定化のベクトルに向け、一丸となった瞬間です。 この活動をさらに続けた結果、トラブル発生率は減少し、生産量アップにつながりました。