部下の仕事にさせていなかったことに気づいた

「いいな」と思われたら押してください。

　 社内からの勧めだけではなく、他社の方にもその評判を聞いていた私は、組革研の参加が決まり、喜びました。 しかし実際に参加すると、深夜に及ぶ仕事に 「もう、終わらせてもいいじゃないか」 と思ってしまい、それが許されないとわかると不満を募らせました。
　 しかし、やらざるを得ない状況に追い込まれると、苦しくてもやり抜けるのです。 仕事はやり遂げなければいけないという、わかりきったことさえ忘れ、これくらいでいいと許していたことに気づきました。
　 当時の私は、グループリーダーとして後輩とともに乗用車用タイヤの設計を担当していました。 私が自分の甘えを許しているのに、後輩に強く求められるはずがありません。 本来は後輩がすべき仕事を取り上げ、指示し、教えて、自分の代わりにやらせていたと気づきました。
　 組革研から帰った私は、 「自分はやり遂げる、後輩にもやり遂げさせる」 と決意し、彼らへの接しかたを変えました。 今までのようにやりかたを詳しく説明していた代わりに、 「わかっていないことは何か？」 「この課題の 『対象』 は何か？」 を彼らに問いかけるようにし、後は手を出さずに、任せてみることにしたのです。
　 すると、後輩の一人はミスをくり返すようになってしまいました。 どうしてそうなったかを尋ねると、 「自分がやる仕事が何なのか、今まで理解しようとしていなかった」 と言われたのです。 私が口出しばかりしていたことで、彼の仕事にさせていなかったことが改めてわかりました。
　 ８月の異動で管理職という立場になりました。 この職場でも、 「仕事はおもしろい」 と部下に思ってほしいと願っています。 そのためにも、苦しみながらも自分の仕事としてやり遂げさせるよう迫っていきたいと思っています。