尻ごみしていた彼らが積極的に挑戦するようになった

「いいな」と思われたら押してください。

　 私の職場では工場を挙げて少人数化の課題に取り組んでいます。 ところが私が担当するラインでは、 「やったことがないから」 という言葉をたびたび耳にしました。 それは経験の浅いメンバーが初めて体験する業務内容に尻込みをし、口にする言葉でした。 そう言われるとしかたなく経験者が代わりにやってしまう、それが常態化していたのです。 このままでは少数精鋭を目指す課題解決には繋がりません。
　 彼らの技術がもっと向上するようにと考え、何度もやりかたを教えてきましたが、変化はありません。 教えても覚えられないことが不思議でならず、どうしたら真剣に自分のものにしてくれるのか、悩んでいました。
　 そして組革研に参加して 「ロボット症」 の話をうかがった時、職場で抱えていた状況と全く同じだと気づきました。 彼らはやらない、工夫しないと勝手に決めつけ、最近では彼らの動きを見もせずに、具体的な内容ばかり先に指示するようになっていたのです。 彼らの技術が向上しないのは、自分の問題であることがわかりました。
　 組革研から戻った私は、これまで一方的に出していた指示を、 「どうしたいのか」 と尋ねるようにし、 「どうやればよいと思うか」 と彼らに考えさせるように変えました。 そして思い切って役割分担も変更して、初めての仕事であっても彼らの担当の中に組み込みました。
　 当初はいくつかの抜けや小さな問題はありましたが、何とかお互いにカバーして事なきを得ると、次第に彼らだけで稼働できるようになってきました。 今では 「この班は４人だけど、２人になってもやれるようにしよう」 と彼らから言われるくらいです。 未体験の作業も積極的に挑戦するようになり、１人で何役もこなすマルチプレイヤーを彼ら自身が目指しています。