向き合うことの怖さを教えられた

「いいな」と思われたら押してください。

　私はコスト管理担当として、ある製品のコスト低減活動の取りまとめを担当していますが、関係するメンバーの多くは目上の方がたばかり、私は指示を出すというよりも依頼をする立場にあります。
　昨年４月に設定されたコスト低減目標が、半年後にまだ目標の半分にも到達していませんでした。月に一度フォロー会を開いて状況を確認してきましたが、ほとんど進展していない方や、会に出席されない方もいました。
　渡している資料が悪いのではと私は思い、フォームや記載内容を変えてもみましたが、何も変わりません。やりかたを求めて社内研修にも参加しました。それでも変わらない状況に、ため息ばかりついていました。
　そんな中で、ふと組革研を思い出しました。安易に達成できそうなメンバーの目標設定をリーダーが許さず、自分たちも高い目標を超えようと動き出したことで、いつしか自らの取り組む姿勢が変わっていきました。
　大事なのはメンバーと向き合うことだと気づきました。ふり返ると、私はメンバーから非難されたくないと思い、フォロー会でもなるべく全体的な話や曖昧な表現にまとめ、自分が傷つかないようにしていたのです。
　変えるしかないと決意し、全体でしか表されていなかった低減目標をグループごとに割り振り、各々の責任者に目標必達を改めて頼みました。「そんなことできるか！」と反発されるのではと内心びくびくしていましたが、前向きに受け入れてもらえ、ホッとしました。また、今まで月一度だった集まりを週一度に増やし、各人の責任区分、役割分担も明確にし直しました。
　その後は目上の方がたからも積極的なアドバイスをいただけるようになり、フォロー会以外でも進捗連絡が入るなど、活動状況は好転しています。私にとっては、人と向き合うことの怖さを初めて教えられた体験でした。