いつの間にか元に戻っていたのは自分だった

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　組革研に参加し、これまで部下のため、仕事を効率よくすすめるためだと思いながら出していた私の指示が、むしろ彼らの持っている力を出させなかったことに気づかされました。
　先日、ある製品の納期が遅れそうになり、工程会議で作業工程や使用する設備もすべて私が決め、指示してすすめさせました。彼らは最優先して動いてくれましたが、他の製品のラインを見ると止まったままだったのです。慌ててその動きを挽回して納期に間に合わせましたが、近ごろをふり返ると、私が指示したものだけがすすみ、他が止まってしまうということをくり返していたことに気づきました。以前と変わらず私が指示を出していたことが、この状況を生んでしまっていたのです。
　２年まえの組革研後、指示を出すのを止め、彼らの力で取り組ませようと決意した頃に戻らなければと改めて思いました。そして、その直後からの工程会議では、現状の問題を明らかにした後は、その工程を納期までどのようにすすめていくかは部下に任せることにしました。
　その後は口出しをせず、彼らの動きをよく見るように努めました。途中で思わず、「優先順位が違う！」と言い出しそうになることもありましたが、ぐっと我慢して「これはすすんでいるか」と問い掛けると、彼らどうしで製造順を考えながら、納期に間に合うようにすすめていたのです。
　それ以外に、これまで手作業が入るために時間がかかっていた工程を自動化する取り組みも、彼らは始めていました。自分でつらいと感じ、問題と思ったものは改善すべきものとして捉えていたのです。
　いつの間にか元に戻ってしまい、彼らの邪魔をしていたのは自分自身だったということに気づかされました。