言われてやった時よりも楽しい

「いいな」と思われたら押してください。

　いくつもの火力発電所のメンテナンスを担う私の部署では、メンバーごとに担当箇所が決まっています。受け持つ場所は上司が決め、その仕事はメンバー自らすすめますが、それ以外は改めて上司から振り分けられるまで待てばよいというのが通例であり、私もそれが当りまえと思っていました。しかし組革研で、右往左往しながらも自分たちの力で仕事をすすめていく体験をし、さらに「ロボット症」の話をうかがって、自分が大きな間違いをしたまま日々を過ごしていたことに気づきました。
　現在、私に部下はいません。そのため組革研でうかがった「リード」は実践できませんが、逆に部下の立場として挑戦していこうと思い立ち、まず、上司に言われるまえに自ら考えて行動しようと決めました。
　これまでの私は、自分が担当している工事が早く終わると、ふだん手を付けられない計画書の見直しや報告書の作成など、上司から新たな指示を受けない限り自分の担当範囲をやることしか考えていませんでした。しかし今は周囲の仕事状況を確認し、優先的な課題で自分にできるものはないか探しています。先日、上司に「あそこの工期が厳しそうなのでバックアップしたい」と申し出るとすぐに承諾していただけました。いざその仕事をしてみると、自分から言い出して取り組んだ仕事は、言われてやった時よりもやりがいがあり、楽しいものだと感じました。
　「多少時間がかかっても自分で調べて考えよう」「言われるまえに自分から提案しよう」と、毎日、無理にでも自分に言い聞かせて取り組んでいます。以前は切羽詰まってくると見かたを変えられずに、浮かんだ一つの考えに囚われがちでしたが、最近は「こうしてみたらどうか」「これも考えられる」と少しずつ発想が広がってきているような気がします。