「対象」を意識してひたすら読み返した

「いいな」と思われたら押してください。

　参加した組革研では、対策ばかりを考え、思い込みで決めつけていると何度も指摘されました。ふり返ると、できない自分に甘えたまま他のメンバーに頼り、けっきょくその後をついていくだけだったとわかったのです。職場では「逃げない。『対象』と向き合う」と決心しました。
　職場で私は、ウェブサイトに掲載する英文の営業資料を作成しています。複数の部署が関わる作業のうち一部しか担当しない私は、知らないうちに自分の仕事を決めつけ、与えられた範囲だけをやればいいと思っていました。とくに専門的で高度な内容になればなるほど、他の方が考え、作成した内容に疑問をはさむこともせず、淡々と取り組んでいたのです。
　職場に戻ると、参加まえに作成した英文の営業資料を、読み手という「対象」だけを意識してひたすら読み返してみました。すると、和文をただ英訳しただけで、海外向けとしては不十分な内容と思われる箇所がいくつも見つかりました。同時に、海外のユーザーはどのような人たちなのか、製品を必要とする背景は何か、一般的に使われている単語は何かなど、疑問が次から次へと湧いてきたのです。自分でも驚きました。
　これまでは指示どおりの内容にすることが私の仕事でしたが、「この表現でちゃんと伝わるだろうか」という思いが強くなりました。それからは、営業担当や技術者だけでなく海外のスタッフにも聞いて、よりわかりやすくなるよう文章を追加し、内容を修正しています。さらに、海外のサイトをいくつも調べて情報収集をするようになりました。
　先日、サイトで見つけた詳細な情報を報告すると、「よくそこまで探した。助かった」という声をいただきました。役に立ったことが実感でき、すごくやりがいを感じた瞬間でした。