大きな間違いに気づかされた

「いいな」と思われたら押してください。

　昨年１０年ぶりに現場に戻ってきました。この支店を良くしようと意気込みましたが、言われたことしかやろうとしない、納期は守れず、ミスしても開き直る部下を見て、すぐに困り果てました。けっきょくリーダーである私が納期に間に合わせるために体裁を整える、やり直す、そのくり返しです。
　これに思い悩んでいた頃、組革研への参加を命じられました。「管理職は必ず受けよ」という厳命でしたが、職場の状況を打開しようと策を講じてもことごとく失敗していた私は、「こんな時になぜ研修なんか受けなきゃいけないのか」という不満で一杯でした。
　しかしいざ参加すると、初日の夜から何か違う、不思議と眠くならない。夢中になっている自分に気づいて驚きました。そして最終日、「まずは自分が変わる！」という強い思いを抱いて職場に戻ったのです。
　これまでの私は、部下の障害を取り除き、できないことは代わりにやる、それが上司の責務であり部下を育てることだと思い込んでいました。しかしそれが大きな間違いだったことを気づかされたのです。間違いどころか、今では罪の意識さえ感じています。
　まず自分の考えを会議で押し付けることを止め、黙って聞くことを自分に課しました。依然として困難な状況を並べ、納期に不満を言う者もいますが、「できない理由は考えるな」と伝え、安易に納期の延長を決めることは絶対に許さないようにしています。
　先日、設備トラブルが発生しました。すると、これまで現場から報告された内容を伝えるだけだった部下が、自ら現場に出向き、調べた状況をもとに他の部署とも相談したうえで報告してきたのです。少しずつ彼らが変わってきていることを知って、とても嬉しくなりました。