参加リポート/現場から

部下が仕事を「自分の問題」に

投票する

「いいな」と思われたら押してください。

角 貴志 住友ゴム工業・名古屋工場・製造課職長 〔第486回/2015年5月会期参加〕  NO.645

 私は現在、乗用車用タイヤの製造現場でその責任者を務めています。「自分が買いたいと思えるタイヤを生産する」を職場の方針として取り組んでいますが、たびたび起こる “不良” に悩まされていました。
 ”不良” が起こるたび、製造課の私と生産技術課の担当者の二人でその不良の対策案を出すのですが、一向に不良が減少しません。部下を何人も抱える班長も、毎日の出勤時に昨日の不良発生状況を確かめるのみで動きません。私からの対策案が出されるまで毎日の工程をくり返しています。『どうせ職長と生産技術で対策を立てるだろう』と他人事なのです。不良発生とともに、彼らのこの状態にも悩み苦しんでいました。
 この状況の中、組革研に参加しました。そこでは「対象」をとことん調べる体験を通じ、その重要さを思い知らされました。さらにいつの間にか釈迦力になっている自分に驚き、「問題に直面しなければ自分事にならない」ことを体感したのです。同時に、職場で抱えていた問題の原因が部下にあるのではなく、実は自分にあったのだということがわかりました。
 職場に戻るとさっそく、今まで私一人が関わっていた検討会や品質会議に班長を伴うことにしました。さらに不良の再現テストや材料の設置位置を変えながら実験するテスト現場にも赴かせ、対策を彼らに考えさせました。
 すると夜間の不良発生時は、その時の班長が設置位置や圧力変更などのテストを朝までに済ませ、「結果はどうですか?」「標準化できそうですか?」と質問するようになったのです。指示されていた頃とは雲泥の差です。
 「自分の問題」となったことで明らかに彼らは変わりました。これを続け、さらにメンバー全員に拡げていくためには、私自身が「これは彼らの仕事だ」とさらに意識しなければならない。それが私の課題なのだとわかりました。

只今、サイトの更新を一時停止しております。
改めて更新を再開する予定ですので、少々お待ち下さいませ。
どうぞ宜しくお願い致します。

脱・「三逆リーダー」
新着 記事・お知らせ
  • 2022.11.15        

    日本人の「人間力」を薄っぺらにしてきた幾年
          ――...

  • 2022.06.28        

    「心の報酬」ぞ、如何に
     ――「新資本主義」に問う(2)...

  • 2022.06.02        

    「道具力」の再構築に終わってしまわないか
     ――「新資本主義」に問う(1)...

  • 2022.05.31        

    組織革新研究会の7月会期での感染症対策...

  • 2021.12.02        

    『あなたの会社はなぜ「メンタル不調」者を量産してるの』発刊記念講演会が開催されま...

  • 組革研アーカイブ
パンフレット・発行物のご案内
  • 対談 あなたの会社はなぜ『メンタル不調』者を量産してるの

    著者:藤田英夫・𠮷野 聡 発行:シンポジオン 発売:三省堂書店/創英社


  • 脱「三逆リーダー」

    藤田 英夫 (著) 発行:ダイヤモンド社 発売:ダイヤモンド社


  • 「個全システム」によるミーティング革新

    藤田 英夫 (著) 発行:ダイヤモンド社 発売:ダイヤモンド社


  • 不感症体質に挑む「人間力」全員経営

    藤田 英夫 (編) 発行:シンポジオン 発売:創英社/三省堂書店


  • 経営の創造

    藤田 英夫 (編) 発行:シンポジオン 発売:創英社/三省堂書店


  • 第3の組織論

    小林 茂 (著) 発行:シンポジオン 発売:創英社/三省堂書店


  • 人間力をフリーズさせているものの正体

    藤田 英夫 (著) 発行:シンポジオン 発売:創英社/三省堂書店


  • 人間力―そこにどう火を点けるか

    藤田 英夫 (著) NTT出版


  • 人を人として―指示待ち人間を目覚めさせるもの

    藤田 英夫 (著) PHP研究所


  • 「状況」が人を動かす―管理からリードへ

    藤田 英夫 (著) 毎日新聞社


ページの先頭へ

組織革新研究会について

組織革新研究会の5日間