自分自身の「手抜き」に向き合う

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　私は、新造船、修理船の工事に関する工程の管理を担当しています。現場はここ数年で徐々にベテラン作業者が退職し、若手が中心になってきました。すると、今まで何でもなかった作業がスムーズにすすまず、技術伝承がうまく行われていないことが顕わになってきました。若手だけでなく、リーダーの私でさえも誰かが何とかしてくれるだろうという甘えがあり、特に対策を考えていませんでした。
　そんなときに参加した組革研でうかがった「無意識に手を抜く＝気抜け」という言葉が私の胸に突き刺さりました。この状況を生み出したものが、まさに、私自身のそれだと痛感したのです。そもそもリーダーである私自身が作業の内容をわかっていないことに今更ながら気づきました。
「現状を変えるためには、まずは自分自身が変わらなければ」。職場に戻った私は、組革研で体験したように一つひとつの作業でわからないことを書き出し、現場で調べながら明らかにしていきました。それでもわからないことは、ベテラン作業者に質問し、さまざまなノウハウを詰め込んだ作業手順書を作成しました。
　この手順書をたたき台に、ベテランは極力口を出さないようにして、若手を中心にしながら自分たちの手でよりよいものに作り直すことを課しました。最初、彼らにはやらされ感がありましたが、徐々に「この作業の前にこれを実施すべきでは？」「こうすればもっと効率が上がるのでは？」と変更案を提案してくるようになりました。
　そのうち自分自身のスキルとして身に付いてきたようです。ベテラン作業者の後ろについていた若手が、今では自ら前に出て作業をすすめるようになりました。