私の学歴は高校止まりだが、その中での私の勉強嫌い、それだけは人後に落ちない。勉強と称するものの大部分が、自分にとっては興味もなければ関心もないことの、記憶の御仕着せに終始していたからである。人間をただの知識の容れ物にしてしまっているわけだ。
したがって私は、「学校教育は教育に非ず」を若年の頃からの持論としている。福澤諭吉の言を借りれば「學校は人に物を教ふる所に非ず唯其天資の發達を妨げずして能く之を發育する爲めの具なり」*1ということになる。その福澤諭吉が創設した慶応義塾が今日の学校教育の仕組みにどっぷりとはまり込んでいるのは推して知るべしだが。
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大学入試改革を議論していた中央教育審議会が、「知識量を問う『従来型の学力』を測るテストから、知識を活用し自ら課題を解決できる能力を見る入試に改める」と年内に答申するそうだ。それを報じる朝日新聞(14.10.25.)は「『覚える』から『考える』へ」と大きな見出しを付していた。今更かよと言いたいところだがそれはさておき、大々賛成だ。
だがこれには、大きなネックが待ち構える。考える力をどう育てるかだ。せっかくの改革にけちを付けることを気にせず申せば、既成の学校教育の制度と教師たちの下では、それは”プラモデル”に終始してしまうか、御手上げになってしまうのが落ちだ。
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我われ人間は、考えろ考えろと言葉でいくら求められても、けっして本当には考えない。自分自身が「考えざるをえない状況」におかれないと、身を入れては考えない。したがって、この教育観の改革を実現する核心は、そのような「状況」をどう生み出していくかにある。
それには、かつての信州大学長野小学校*2と、チームワーク学校(子どもたちの組織革新研究会)のはるかなる先例が大いに役立つと確信するのだが……。
*1『福澤全集第九巻』(時事新報社編纂、國民圖書刊)
*2『子どもたちが教科書を創る小学校』(小松恒夫著、
新潮社刊)に紹介されている。
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