去る7月の「組革研/定期報告会」でのご質問の一つに「参加させても変わらないのがいる。なぜか?」があった。これには、組革研会期内と職場に戻ってからの二つの場面が考えられる。前者でのそれについてはこのコラムのNo.65(14.9.5.)でお応えしたので、今回は後者でのそれについて記したい。
もとより、組革研は後者のための存在である。
これについては、フリースケール・セミコンダクタ・ジャパンの人事本部長である大屋裕靖さんが核心を突いた一つの答を示してくれている。
同社工場の一部の前身である東北セミコンダクタ時代、約2年の間に社員の10パーセントに相当する150人を派遣された。その頃の大屋さんが、それによって「大きく変わった」「少し変わった」「変わらない」が3分の1ずつだと語って私を落胆させたのを今でも忘れない。ところがである。間をおいてその150人の多くが各部署のリーダーとなった。すると、それまで潜んでいた組革研のやりかたがむくむくと姿を現わし出し、職場の中には模造紙があふれて改善がすすみ始め、歩留まり、品質、サイクルタイムなど、全工場のトップ業績を長期にわたって維持し続けることとなったのであった。東日本大震災による大被害をうけたにもかかわらず。彼らは、「最高業績を出すのは、会社のためではなく、自分のため、仲間のためだ」と言っているそうだ。
大屋さんは、「組革体験者が心の奥で影響を受けたものを身体の中に秘めていて、それがこのような形で現れたのではないか」と思い返しておられる。(来る11月21日の「組織革新研究会/今年下期の定期報告会」では、大屋さんからその報告がある。)
昭和アルミニウム缶の元常務取締役であった松浦正明さんも、「組革体験は4、5年も経ってから急に現れてくる」とよく言っておられた。
あらゆる体験には、このHP上の「一歩踏み出せた/現場から」でデイリーに報告されているように即動けるケースもあれば、熟成のための”潜伏期間”を要するものもある。派遣する立場からすれば、そんなに待っていられるかということにもなろうが、それは、当事者の体質とともに、職場の体質にも大きく左右されていくものだと思う。
上記、我田引水にすぎると言われかねない。「参加させても変わらないのがいる」を全否定しているのではない。
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