キャンパスリーダーの独り事

何としたらよいのであろう  No.76

320CLno76.png 数日後には衆院選だ。それにかかわって柄にもないことを申してみたい。民主主義制度はもはや砂上の楼閣とか死に体とかいうべきものになってしまっているのではないか。私にはそう思えてならない。
 その象徴の一つが、国会議員選挙における投票への駆り立てだ。当該機関はもとより、マスコミでは猫も杓子も声を大にしてそれに口をそろえている。国政参加という自分にとってきわめて大事な機会を捨ててしまうのは論外だが、その種の人たちに参加を促すのもおかしなことだ。このままいくとそのうちに、景品付き選挙の自治体なんかが出現してくるかもしれない。
 今回の衆院選の投票率予測は、過去最低の50パーセント台半ばだそうだ。どうしてこんなことになってしまうのだろう。私が考える大きな起因は二つだ。
 一つは、その根っ子に潜んでいる選ぶ側の問題。このコラムのNo.67に記した人びとの「やってもらう病」である。自分に都合のよいことを求めるには切りなく、文句は言うが、自分で問題解決しようとはしないことだ。
 ジョン・F・ケネディの大統領就任に際しての名演説「国が諸君のために何をしてくれるかではなく、諸君が国のために何ができるかを考えようではないか」を思い出す。これこそが民主主義が成立する原点だ。
 もう一つは、表面に歴として現われている選ばれる側の問題。代議士と呼ばれる人たちの有り様である。一言にしてしまえば、人物が見当らないことだ。選挙運動に際しての民衆へのあの媚びた仕ぐさは何だ。人びとをばかもの扱いするのもいいかげんにせい。議会での議論の足の引っぱり合いは、政治屋の利権争いではないか。いかほど国と国民を思うているのか。対象満足のミッションが逆の自分満足に化けてしまっているようだ。
 この国の未来を描きうるリーダーはいないのか。命を懸けての不退転のリーダーは出てこないのか。
 何としたらよいのであろう。わからない。評論に終始しているのでは許されないことを承知しながら、こんなことをぼやく俺も「やってもらう病」の一人か。

14.12.8.

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