子どもたちが、朝起きるとまずはスマホを手にし、朝食を食べながらもLINEのチェック、学校から帰るとまたもやLINE、それは夕食後へと続く。ほおっておけばベッドに入ってからも限りない。
愛知県刈谷市の小・中学校では、「夜9時以降は親は子どもから携帯電話を預かり使用できないようにしたい」と、各保護者に協力の依頼を出したという。
トラブルが多発しているからだ。「『あの子嫌だね』などのやりとりが原因で体調を崩す子」「前日夜にLINEでトラブルがあって、そのことを心に病んだまま朝学校に来るともう教室に入れない」などだ。同じく携帯電話の使用時間を制限しようとする同県新城市の小・中学校でも、多くのトラブルが発生しているという。「メッセージを読んで返信しないと『無視した』と言われる」「仲間から、一人だけメッセージが読めないように設定される」「遅くまでやり、寝不足のまま登校してくる」などだ。
30人の親に使用制限の賛否を求めたところ、全員が賛成で反対は0。だがどうも、その実現は一筋縄ではいかないようだ。子どもたちは「友だちがLINEをやっているのでやめられない」のだ。
私も携帯電話を使っている。電話とSMSだけに、それも必要最小限。そんな私から見ると、携帯電話とりわけスマホにいかれているのは、若い大人の世界も似たようなものだ。電車に乗ってきた瞬間にスマホを取り出して人指し指や中指を小刻みに走らせ始め、それは延々と続く。周囲を見渡すと、そんな小景がやたらと目に入ってくる。スマホを手にしてのながら歩き。自転車を走らせながらスマホを覗き込んでいるばか者も少なくない。
子どもも大人も毎日、「ネット依存」への道を歩き続けているかのようだ。既にこれを治療する病院の専門外来には、受診希望者が押しかけているという。
革新的なものはその有益性を衝撃的にもたらす。と同時にその裏側では、再生不能とでも言うべき否定的な衝撃をもたらしていく。自動車の登場は交通事故と排気ガスをばらまき、また人びとの足腰を弱くしている。テレビの登場は一家団欒の食卓を荒らし、活字離れをもたらした。
我われ人間は、楽、快適、使益を求めて永久にやまない。だとすると、それによって必然的にもたらされるであろう否定的な衝撃も永久に背負っていかねばならないわけだ。
(刈谷市、新城市の記述は、041CH「バンキシャ!」14.4.6.より)
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