企業競争とは生産性向上競争だと言い換えてもよいであろう。その生産性を底知れなくdownさせているものが自分の足下に積み重ねられていることに、経営者のほとんどが気づいていないようだ。大生産性upの死角になっているとでも言おうか。
「人」に対するマネジメントがそれである。といっても、その仕組みや手法ではない。部下をもつ人たち、リーダーの有り様だ。リーダーが、人びとの力を引き出すどころか、逆に閉じ込めてしまっているのである。「人間力」をより潜在化させて「道具力」をより顕在化させているのだ。それは、次の二つにおいて止まるところを知らないからだと思う。
その1/仕事満足と部下満足(安易な欲求に応えることではない。自己実現を指す)のために存在するリーダーが、自分満足への努力に陥ってしまっていることである。無意識・無意図の下にであろう。だからこそ底なしだ。
その2/考えろ考えろと言いながら、どこまでも教え、説明し、指示し、そのうえ世話をやくことによって、部下の主体性、創造性、個性の足を引っぱっていることである。部下を育てる、導くという名の下にだ。だからこそのべつ幕無しだ。これも自分満足のためかもしれない。
数ある生産性要因の中でも、経営者の関心はまずは設備投資、次いで業務展開のやりかたに関する人材への投資であろうか。それに対して私は、リーダーの有り様、そこには生産性upの大きな余地が無尽蔵に眠っていることを、声を大にしてアピールしたいのである。
設備投資には莫大な金を要し、その上に大きなリスクがどこまでも付いて回る。通有の人材投資は知識量を増やすに止まるだけではなく、内容にもよるが多くの場合、人びとの主体性、創造性、個性を潜らせることに連動してしまう。学校教育を見ればそれは一目瞭然だ。それに対してリーダーの有り様に関しては、投資は高が知れたものだし、ノーリスク、ノーデメリットである。
組革研HPの「一歩踏み出せた/現場から」の中でも以上の一斑は明らかだ。
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