キャンパスリーダーの独り事

無尽蔵に眠っている生産性upの死角  No.34

CL320no34.jpg
 企業競争とは生産性向上競争だと言い換えてもよいであろう。その生産性を底知れなくdownさせているものが自分の足下に積み重ねられていることに、経営者のほとんどが気づいていないようだ。大生産性upの死角になっているとでも言おうか。
 「人」に対するマネジメントがそれである。といっても、その仕組みや手法ではない。部下をもつ人たち、リーダーの有り様だ。リーダーが、人びとの力を引き出すどころか、逆に閉じ込めてしまっているのである。「人間力」をより潜在化させて「道具力」をより顕在化させているのだ。それは、次の二つにおいて止まるところを知らないからだと思う。
 その1/仕事満足と部下満足(安易な欲求に応えることではない。自己実現を指す)のために存在するリーダーが、自分満足への努力に陥ってしまっていることである。無意識・無意図の下にであろう。だからこそ底なしだ。
 その2/考えろ考えろと言いながら、どこまでも教え、説明し、指示し、そのうえ世話をやくことによって、部下の主体性、創造性、個性の足を引っぱっていることである。部下を育てる、導くという名の下にだ。だからこそのべつ幕無しだ。これも自分満足のためかもしれない。
 数ある生産性要因の中でも、経営者の関心はまずは設備投資、次いで業務展開のやりかたに関する人材への投資であろうか。それに対して私は、リーダーの有り様、そこには生産性upの大きな余地が無尽蔵に眠っていることを、声を大にしてアピールしたいのである。
 設備投資には莫大な金を要し、その上に大きなリスクがどこまでも付いて回る。通有の人材投資は知識量を増やすに止まるだけではなく、内容にもよるが多くの場合、人びとの主体性、創造性、個性を潜らせることに連動してしまう。学校教育を見ればそれは一目瞭然だ。それに対してリーダーの有り様に関しては、投資は高が知れたものだし、ノーリスク、ノーデメリットである。
 組革研HPの「一歩踏み出せた/現場から」の中でも以上の一斑は明らかだ。

14.1.7.

只今、サイトの更新を一時停止しております。
改めて更新を再開する予定ですので、少々お待ち下さいませ。
どうぞ宜しくお願い致します。

脱・「三逆リーダー」
新着 記事・お知らせ
  • 2022.11.15        

    日本人の「人間力」を薄っぺらにしてきた幾年
          ――...

  • 2022.06.28        

    「心の報酬」ぞ、如何に
     ――「新資本主義」に問う(2)...

  • 2022.06.02        

    「道具力」の再構築に終わってしまわないか
     ――「新資本主義」に問う(1)...

  • 2022.05.31        

    組織革新研究会の7月会期での感染症対策...

  • 2021.12.02        

    『あなたの会社はなぜ「メンタル不調」者を量産してるの』発刊記念講演会が開催されま...

  • 組革研アーカイブ
パンフレット・発行物のご案内
  • 対談 あなたの会社はなぜ『メンタル不調』者を量産してるの

    著者:藤田英夫・𠮷野 聡 発行:シンポジオン 発売:三省堂書店/創英社


  • 脱「三逆リーダー」

    藤田 英夫 (著) 発行:ダイヤモンド社 発売:ダイヤモンド社


  • 「個全システム」によるミーティング革新

    藤田 英夫 (著) 発行:ダイヤモンド社 発売:ダイヤモンド社


  • 不感症体質に挑む「人間力」全員経営

    藤田 英夫 (編) 発行:シンポジオン 発売:創英社/三省堂書店


  • 経営の創造

    藤田 英夫 (編) 発行:シンポジオン 発売:創英社/三省堂書店


  • 第3の組織論

    小林 茂 (著) 発行:シンポジオン 発売:創英社/三省堂書店


  • 人間力をフリーズさせているものの正体

    藤田 英夫 (著) 発行:シンポジオン 発売:創英社/三省堂書店


  • 人間力―そこにどう火を点けるか

    藤田 英夫 (著) NTT出版


  • 人を人として―指示待ち人間を目覚めさせるもの

    藤田 英夫 (著) PHP研究所


  • 「状況」が人を動かす―管理からリードへ

    藤田 英夫 (著) 毎日新聞社


ページの先頭へ

組織革新研究会について

組織革新研究会の5日間