「STAP現象」の存否は、今のところ小保方晴子さんをおいては、世界中の誰にもわからないことのようだ。この現段階でだが、私には言いたいことが二つある。その1は、ノーベル賞受賞者の理研理事長・野依良治先生がおっしゃるところの「彼女はSTAPの存在を信じている。自分の研究なので思い入れがある。研究者は思い入れがあるのはごく当然」にかかわること。その2は、この問題に関する論文の共著者と理研の各組織階層の道義観に関してである。
前者については近々に小保方さんの記者会見があるらしいのでそれを待ってのこととし、今回は後者について申す。
私が去る1日の理研調査委員会の記者会見の内容を知ったのは、同日の朝日新聞夕刊の関西版によってであった。同紙の社会面をめくると、「不正『小保方氏のみ』」なる白抜きの大見出しがどっと目に入ってきた。ついで記事を読んでみて驚いた。それは3点においてである。
第一は、小保方さんに不正の意識があったと決めつけてしまっていることだ。論文の作成過程に、エラー、過失、認識不足、手抜き、限りない粗雑さなどの不適切が多々あったことは確かなようだ。だが、それらは前記「その1」にかかわることであって、不正如何の見かたが分かれるところではないのか。
第二に、仮に不正があったとしよう。だとすると共著者も同罪ではないか。もしSTAP現象が客観的に立証されれば、共著者もノーベル賞候補になったかもしれないのだ。日本人共著者の3人に言いたい。共著者として名を連ねて旨い汁を吸おうとし、それがまずかったら「あれは一つの仮説だった」などと即逃げるのか。卑怯ではないか。武士道精神の眞逆を世界に晒すのか。
第三は、小保方さんのリーダーの立場にある人たち、野依先生を含めて、何をやっていたのかと言いたい。あなた方が不正をやったと断じている人をユニットリーダーにしたのは誰なのか。「若手登用のサポート体制が不十分だった」などと、寝ぼけたことを言っている場合ではなかろう。基礎研究という組織上の特異事情があるにせよ、この論文の不適切さについては、あなた方に職責はないのか。あなた方は責める側であってよいのか。
第二、三については理研側もかなり気にしているようだが、それはきわめて形式的、自己防衛的であって、そこに流れる空気は、不始末を小保方さん一人に寄せ集めようとしている様子が透けて見えるようだ。道義観いずこへ。
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